「心のプラカード」でよみがえるステップ・ダンス

心のプラカード

(2014年7月12日 ニッポン放送ラジオ 辛坊治郎ズーム そこまで言うか! より抜粋)
ゲスト:ラッキィ池田
パーソナリティ:辛坊治郎
アシスタント:増山さやか(ニッポン放送アナウンサー)

ラッキィ池田 あのね、ちょうどこないだですけど..まあフジテレビ系列ですけれど…。あの〜AKB(48)の総選挙の前に、秋元さんから電話があって
「ラッキィ、今度の新曲ね…」
あの、昔ディスコで…ディスコは昔、鏡張りみたいになっててみんなが同じ方向向いて..
 辛坊治郎  そう!あのね「バスストップ」とかね
 ラッキィ  そうそう!
辛坊 「ハッスル」とかね
ラッキィ さすが!もう、(増山)さやかちゃん置いてけぼり。わははは(笑)
辛坊 みんな、同じだったんですよ。
ラッキィ みんな同じ踊り踊ってたの。
辛坊 全員同じ。だからね、そうなの。で、ステップ決まってたの
だから一回行くと踊れなくて何回か行って、人の踊りを見て。
そのかわしね、いっぺん覚えると、うまいもへたもたいした変わんないの…
ラッキィ そぅ!ほんとに、そぅ!
で、秋元さんが「それやりたいんだよね」つって。
で、あの、(恋する)フォーチュンクッキーよりももっと簡単に、ホントの昔のディスコ..。で、
「ラッキィ、ディスコ通ってただろ」
「あ、ボク錦糸町なんですけど行ってました…」
「じゃ、いいや(笑)錦糸町でもいいや。それやろう」
つって。その、「プラカード」ってね「心のプラカード」って曲も
ほんとにディスコで…。
そりゃあもう、さやかさんに踊ってもらいたいなと…

http://www.1242.com/program/zoom/
心のプラカード
心のプラカード

(ラッキィ池田さんのblogより)

2014年。

AKBの総選挙の前に、秋元康さんから電話があって、
こんどの新曲は、昔のディスコダンスをやりたいとい
うことだった。

「ねえラッキィ!むかしさ、みんなディスコじゃ、ひ
とつの方向に向いて同じダンスを踊っていたじゃな
い!あれ、やりたいんだよね!みんなで踊って日本
を元気にしたいんだよ!それって、あのディスコを
体験している人じゃないと、作れないじゃない!」

一瞬で昔を思い出した!

(中略)
これは見て楽しむダンスじゃない!
いっしょに経験するダンス!

この夏を、一緒に盛り上がりながら過ごすダンス!

2014年07月12日「音楽のちから」で「心のプラカード」が初お披露目されました。

初見の感想としては、いわゆる「ザ・ベストテン」などの時代に人気のあった、昭和の正当派アイドルソング、松本伊代さんの「センチメンタル・ジャーニー」とか、その辺りがモチーフなんだと思っていました。

それにしては、なぜディスコのステップを、しかもフォーメーションの変わらない、昔のディスコのようなダンスを組み合わせたのかな、ということが自分にとって疑問だったのですが、このラッキィ池田さんのblogで、やっと意図が判明。
これ、モチーフはクック・ニック&チャッキーの「可愛いいひとよ」なんじゃないかと思います。

クック・ニック&チャッキー 可愛いひとよ

といっても何の事やら、だと思いますので補足。

秋元さんは現在56歳、ラッキィ池田さんは現在54歳。ほぼ同世代。

秋元さんの言う「昔みんなディスコじゃ、ひとつの方向に向いて同じダンスを踊っていたじゃない!」という時代はたぶん2人が大学生だった1970年代後半。

その頃の日本のディスコは、日本人にも踊りやすいようにと作られた和製ソウルダンスが主流で、ほぼどんな曲もその曲の専用のステップや振りで踊っていたそうです。こういったディスコはステップ・ディスコと呼ばれていました。

後年のディスコというとソウルトレインのフリーダンスや、男女ペアで踊るイメージですが、当時のステップ・ディスコは、列で向かい合って同じ振りを踊る、というものでした。

クック・ニック&チャッキーの「可愛いいひとよ」はそんなステップ・ディスコから火がついた曲で、「新宿GET」というディスコで頻繁にプレイしたところ、徐々に人気となり全国のディスコで人気となった曲で、当時この「可愛いいひとよ」のステップは踊りにくる人たちにとって必修項目だったようです。

(ちなみに、この「クック・ニック&チャッキー」は歌って踊るグループで、メンバーのニック岡井さんは日本のソウル系ダンス・ステップの第一人者。多くのソウル・ステップのダンスを考案し、日本のソウル界、ダンス業界に大きな足跡を残した方だそうです。)

つまり、何をいいたいかというと 笑、ステップ・ディスコがやりたい秋元さんにとって、この「可愛い人よ」をモチーフに選ぶのは当然の成り行きだったのでしょう。

そして同世代のラッキィ池田さんにとっても、すぐにピンと来る曲だったに違いありません。

心のプラカード

前回、パパイヤ鈴木さんは「恋するフォーチュンクッキー」の振付について、秋元さんから

「AKBに付けるつもりでやんないで下さい、あれはちっちゃいお子さんから
お爺ちゃんお婆ちゃんまでが楽しく踊れる踊りにしたいんです
AKBのことは無視してスタンダードをやりたい」

ザ 少年倶楽部 PREMIUM 出演時のトークより

と言われたそうです。

今回、ラッキィ池田さんが依頼されたのが

「みんなで踊って日本を元気にしたいんだよ!」

結果、パパイヤ鈴木さんが表現したのが「ソウルトレイン」、ラッキィ池田さんが表現したのがステップ・ディスコ。

表現方法は振り付け師によっての若干の違いはあるけれども、目指している所は同じ。

もしかしたら,今回の「心のプラカード」でもこの仕掛けが成功したら、今後総選挙曲は「みんなで歌って踊れる」というのが定番になるかもしれません。

心のプラカード

ただ、ちょっと、個人的な感想ですが…
…歌詞が少し子供っぽすぎるような気がしました。

ラッキィさんの発言によると、総選挙前からディスコというテーマは決まっていたようですので、曲は固定で誰が1位になるかで歌詞は差し替えた可能性もあります。

渡辺さんのイメージで当初の歌詞を書き換えたのかも知れませんし、タイアップであるバイトルの意向があったのかもしれません。

せっかく「可愛いいひとよ」にピンと来る世代にも訴求力のある曲なのに、歌詞の内容は若年層狙いに聞こえるという、なんとも言えないちぐはぐさが、ちょっともったいない気がします。

案外この部分が、この曲への賛否に繋がっているのかもしれません。


桜、みんなで食べた

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